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簡易床貼り工事(キッチン)

2010 - 10/25 [Mon] - 00:00

多摩ニュータウン:・公団分譲団地 現場
「簡易床貼り工事実例」


先日ご紹介した、換気扇工事のお宅のキッチンでは、それ以外にも色々と手を加えました。
その一つが床貼り工事です。

こちらのお宅は築30年以上経った公団分譲団地ですが、この時代の建物の床はコンリートスラブ(水平面)の上から直に床材を貼って仕上げてありました。

マンションなどの鉄筋コンクリート造や鉄骨造の集合住宅の床にはこのような「直床式」と「置き床式」があります。

前者は前記の通り、コンクリート躯体の上から直に床材を貼る工法。
後者はコンクリート面の上に桟を敷いてから床材を貼る工法です。

マンションや団地にお住まいの人は、どちらの床工法かを知るには、床をカカトでドンと踏んだ時に太鼓のような空間音がしたり、床に撓(しな)りを感じたら、それは「置き床」です。

どちらの工法にも一長一短がありますが、下階へ伝わる音を軽減する意味では現在は「置き床」が主流です。
また、「置き床」の場合は躯体と床材の空間に給排水の管や電気配線を通すことができるので、メンテナンスするのが簡単で、間取り変更したりするにも比較的自由度が高く工事し易くなっています。

今回の現場はこの時代の中層(5階建て)団地に共通している条件として建物が「壁式構造」です。

この「壁式」とは文字の通り、躯体は柱・梁(ハリ)を使わずに壁=面で構成されています。
これは簡単に説明すると予め工場生産した壁を現場で立てて、その上に天井(床)面を乗せ、上階はまた壁を立てていく工法です。

建物を面で支えているので撓(しな)ることがないので実は耐震性には優れています。
この基本構造の木造版が2×4(ツーバイフォー)工法ですね。
耐震性だけではなく、室内側の部屋角には柱型が出ないというメリットもあります。
但し、中層のビルは天井面を支える為の小梁(コバリ)はどうしても出ますが、その位置は必ず部屋の間仕切り壁の上部になるので目立ちません。

但し、積み重ねて建てていく性質上、高層階は適応できません。
そして、壁の耐力はその壁の高さが低い方が丈夫だという性質から天井高をあまり高くすることが出来ません。

この時代の公団住宅の床や天井が「直貼り工法」である理由はそこにあるのです。
現場のお宅の元の室内天井高は2m40㎝でした。
現代の住宅は最低でも大体2m45㎝~50㎝くらいはあり、中にはマンション・一戸建て共に2m70㎝以上の天井高を確保している住宅も少なくありません。

さて、話を「床」に戻しましょう。
「置き床工法」の場合は地床の上に敷く桟が4㎝位、その上に貼る床材の多くは1.2㎝位はあります。
つまり、この時代の壁式工法の建物の床は「置き床工法」にすると「直床工法」と比べて室内有効天井高は最低でも4㎝くらい低くなってしまうわけです。

そんな理由でこの現場では技術的に可能でも「置き床」にするメリットはありません。
それでも築20年程度の公団住宅は「直床」が元々厚みのあるフロ-リングになっていたのですが、この現場の時代の公団住宅は新築時は下地材に等しい薄い床材の上に入居者がカーペットや薄手の長尺床材などを敷くようになっていました。

フローリングのリフォームには「直床用」の床材があるので、この際、フローリングにすることも出来ますが、この現場の床には「コルク材」が敷かれていました。

本物のコルクは湿気を吸収してショックを和らげるなどのメリットで一時期流行したことがありました。
価格もそれなりにけっこうしたと思います。
しかし、けっこう汚れ易く、拭き掃除もし難いという欠点もありました。
今回、お客様は床材の張替えを希望されました。
しかし、張替えは既存のコルクを剥がさなければなりません。
ご存じかもしれませんが面一杯に糊づけされたコルクはキレイに剥がすことは不可能で、もし剥がすとなれば「削り取る」感覚の作業になり、時間も費用も相当の手間がかかります。

従ってis・Livingでは今回は「張替え」ではなく、既存のコルクの上から床材を貼る方法をお奨めしました。

そこでお客様が一つ心配ごとを申されました。
それは、既存コルクの上から床を貼ると、床の厚み分で隣室との段差や扉のひっかっかりが出ないか?ということです。
しかし、心配はありません。
床材には所謂、長尺のCF(クッションフロア)やPタイル、エンビタイルなどの他にも「上貼り専用」の薄いフローリングもリフォーム建材にはあります。
今回はお客様のご希望で「テラコッタ調」のエンビタイルを貼ることにしました。
※床材に関しては以前の「床選びの記事」をご参考ください。

元々のコルクが縮んで隣室のフローリングより1mm位下がっていました。
今回使用したエンビタイルの厚みは2.5mmありますが、下地のコルクが軟らかい素材なので、隣室ノフローリングとの段差分、コルクの端を緩やかに削って段差±0に出来ました
もちろん、扉下辺も擦りません

さぁ、工事です。
素人目だとこのテの床貼りは床の端から追っていくシンプルな考えを思い付きますが、床を貼る職人さんは「目合せ」に拘ります。
特に築年数の経ったコンクリート造の部屋は歪んで直角が出ないので、端から追っていくと、最後は壁面に対して目が斜めになることが気になります。

P7230090.jpg

職人さんは、そのことを想定しながら事前になんどもシュミレーションしてスタート位置を決めて行きます。
これをすることで同時に材料のロスも最小限に抑えられます
※業者さんによっては見積の時には安全の為にこのロス分を多めに計上されることがあります

P7230091.jpg

両端の目合せがどうなるかを想定しながら最初の1列目を真ん中から貼り始めます。
既存床には先に接着剤を塗り、ハケで慣らしておきます。

P7230092.jpg

↑↑ 隣室のフローリングに合わせて予めコルクの端を緩く削ってあります。

P7230093.jpg

この辺りまでは観ていてもパッパと作業するので、けっこう簡単に見えますが・・・
端の部分はほんの数ミリの隙間に合わせて材料1枚ずつ加工しながら貼るので、けっこう大変なんです。
そして家具がある場合は工事個所を一時的に避けなくてはなりません。

P7230094.jpg

その端の細かい個所を細かく材料を刻みながらはめていく職人さんの根気には感心します。
家具を置いて見えなくなる部分にも決して手を抜きません。(当たり前ですが・・・)
サッシの縁は上下の歪みも加わり難儀しました。

P7230095.jpg

午後3時過ぎから着手して約7畳の広さのキッチンの床貼り作業は何とか明るいうちに終わらせることが出来ました。
P7230096.jpg

もう晩御飯の支度に台所に立っても大丈夫ですよ!

今回の工事に際してのポイントは・・・
まず、元の建物構造をよく理解して適切な工法と材料を選定すること。
次に、経年数の経ったコンクリートの建物は直角が出ないことを想定して「目合せ」すること。
そして、見えない個所の隙間もきっちりと埋めて仕上げると仕上がりがキレイになる。
といったところでしょうか。

以前のコルクに比べ、お客様が選んだ「テラコッタ調」(素焼き風)はサーモンピンクのような温か味のある色合いで部屋が明るく清潔な感じになりました。
ご希望があればこれに目地を入れることもできますが、今回は部屋の広さとのバランスで目字無しで敷き詰めてみました。
こうして施工写真を見てしまうと材料の薄さがわかりますが、完成現場だけを見るとまるで本物のタイルを敷き詰めたみたいに仕上がっています。
水にも強いので台所には適材だと思います。

「張替え」は既存床の剥がし~処分の工程が加わりますが、リフォームには「上貼り」はその意味でもコスト・施工時間などメリットは多いです。

is・Livingは床をはじめとする内装リフォームの色選びは時間をかけてお客様のお好み・悩みをお聞きし、一緒に考えて決めて行きます。
基本的に自分の好みの色を選ぶということは、その人の「お気に入り」の空間に仕上がることを想像できるので色選びがとても楽しくなります。
たくさんの種類の材質からお好きな色を選んでいただけるように見本カタログを多数用意しております。

是非、お気軽にご相談ください。

<お問い合わせは>
is・Living営業企画室
E-メール:sasaki@is-living.info
電話:042-319-6480 FAX:042-319-6481




勝手口扉の交換工事

2010 - 11/21 [Sun] - 00:00

川崎市一戸建て住宅:勝手口扉交換工事現場

過日ご案内した「ジャロジー窓開閉レバー修理」を行ったお宅でのメイン工事であった「勝手口扉交換」の工事を紹介します。

閑静な住宅街の傾斜地に建つ地上2層(木造)地下2層(RC)のこの建物はスペックの通り、かなり大きく立派なものですが、周りの景観に自然に溶け込み、その大きさをあまり主張しない様に巧みにデザインされていて、建築に携わる私としてはとても憧れる設計技術だと思いました。

そのシックでモダンな住宅を引き立てるのに大きな役割となっているのが扉・窓などの外部建具です。
一般住宅用の規格サイズのものではなく、窓には高さと重厚感のあるビルディング用サッシが用いられ、家屋の内外の扉も全てオーダーであつらえてありました。
その効果は一目でわかるほど素敵で、私個人的にも今後のリフォームデザインの参考になる部分をたくさん見せていただきました。

ただ、一つだけ残念な部分だったのが今回工事させていただいた勝手口扉なのです。
但し、この勝手口は前面道路に面する地下2階部分(傾斜地の為)から勝手口門より地上1階まで階段を上がって辿り着くので外部からは見える位置ではありません。

しかし、大変失礼ながらその扉の材質はいわゆるポリ合板の貼り合わせで中は空洞の軽くて貧弱なものでした。
それが設計者の想う意図的なものであれば大変申しわけないのですが、この扉は外気と雨に当たればすぐに表面が劣化して剥がれていくことは確かです。
人目につかないところとはいえ、他の全ての部分が重厚な造りであるためにこの部分の劣化はどうしても毎日出入りしている家主様は気になるのはごもっともだと率直に思いました。

さて、扉の交換工事というのは基本的には難しい工事ではありません。
多くの住宅はサッシメーカーの既製品を用いている場合が多いので、その時は同じ規格サイズの既製品を選ぶことで簡単に工事できます。

しかし、今回のお宅の場合、外観のシンプルさとは裏腹に決定的な問題がありました。

ひとつは扉のサイズが特注サイズで規格品に当てはまるサイズのものが無いこと。
そしてもう一つ・・・
扉の枠材を挟んで通気と明かり採り用のジャロジーがあるのですが、この窓が厄介者になってしまいました。
P7090051.jpg
室内側から観た写真 扉右側に枠材を挟んであるジャロジー窓・・・コイツが・・・

つまり、元の扉の幅が既製品にあるサイズで合せるとなると枠を拡大する必要があるのですが、このジャロジー窓がある為に枠材を交換することが出来ず、既存のものを活かすしか方法がありません。
となると再度特注品を作成することになるのですが、これまでと同じ材質のものでは再びすぐに劣化してしまうことが解かっているので、どうせ交換であれば劣化しないアルミ素材を用いたいところです。
ところがアルミ素材で特注するとなるとコストがかかり過ぎます。

現に家主様はそのことで悩んでいました。
人目に着かない場所に特注の扉を作成するのは費用対効果を考えると得策ではないからです。

そこでis・Livingではいつものようにお客様と本音でお話を伺い、 「割り切る」ことでコストをかけない方法を提案をします。
その割り切る条件とは・・・

既存の枠の内法に極力近いサイズの既製品を使用すること。
既存の枠を活かす為にアルミの枠は外部にかぶさるように出っ張ること。


この2つの欠点を理解していただくことでローコストの改修ができるのです。
但し、欠点をそのままにするのではなく、それを補う対策ももちろん加えます。

ます、既製品サイズで既存の枠幅に収まる最大限広いサイズの製品をチョイスしました。
これで有効開口幅は既存より約3㎝狭くなります。
それでもアルミの外枠の一部を外部に張り出させることでこれだけのリスクで納まりました。
そして外部に出た部分(約3㎝)は新たに木枠を作成して化粧のように被せることにしました。

扉は現代的な物でガラスが上下に動き、通気できるタイプのものです。(YKK-AP製)
これに伴う防犯・断熱対策も2か所のディンプルキー・脱着式サムターンで防犯し、ガラスは複層ガラスで断熱します。
※ディンプルキー=磁石式のピッキング出来ない構造
※サムターン=内側からカギをかけるツマミ 脱着式だとガラスを割って手を入れられても回せない
※複層ガラス= 二重ガラス 空気層が出来るので断熱効果が高く、結露も起きにくい


こんな場合、細かい仕上がり具合については造り手側は解かっているのですが、お客様は完成するとどんな風になるかはなかなかイメージできないものです。
それだけに事前に納得いくまでお話を聞き、説明をさせていただきます。

さて、工事です。
まずは既存の扉を外し、上部の欄間部分を今回の既製品サイズに合わせて約12㎝カットします。
(扉有効幅が約3㎝狭くなりますが、高さは10㎝上がります)
P9170025.jpg

予め解かっていたことですが、元の扉の材質に合せて欄間部分も合板の張り合わせなのでカットした断面は空洞になっていしまうのでこの時点で補強を入れておきます。
P9170026.jpg
元の欄間の断面は扉と同様に空洞になっています

次に土間の部分も既成アルミ枠をはめ込んで固定するためにカッターを入れます
P9170023.jpg
この時は激しい粉じんが出るのでもう一人がバキュームを当てながらコンクリートを切っていきます

上下必要な有効開口を確保したところでアルミの扉枠を仮止めします。
この時にジャロジ窓がある側の元の木枠に新しいアルミ枠が被さるのが解かりますね。
P9170028.jpg
奥に見える機械からレーザー光線を当てて水平・垂直の位置出しを慎重に行います

枠の位置を仮止めしたら左右の隙間を埋める補助枠の原寸を測って木材をカットします。
それを既存の木枠とアルミ枠の間に挟むようにしてはめ込み、正式に枠を固定します。
PA060072.jpg

そして扉を取り付け、開閉がスムースかをチェックします。
PA060074.jpg
もちろん一発でOKでした

完全に固定してから今度は内側の隙間を囲むように木枠で巻いていきます。
PA060080.jpg
最初、雑に切断しているように見えましたが、これで完全に塞がります

内側の枠造作が終わったらカットした土間と下枠の隙間をモルタルで埋めるように補修していきます。
PA060096.jpg
この後、躓かない様に均していきます

そしてモルタルが乾くまでの待ち時間は休憩も含め、次の段取りを効率よく行います。
まずは外部の枠周りに防水テープで防水処理していきます。
この時点で勝手口としての機能は果たせる状態になり、一安心です。
PA060075.jpg
白いフィルムを剥がすとベトベトの黒いブチル材(防水材)が現れます。

一方では外部のアルミ枠を囲む化粧枠材をカットしておきます。
PA060089.jpg
大工さんは丁寧に切り込みを入れていき、ペーパーで表面を磨いておきます

土間のモルタルが乾いたのを確認したら外部の化粧木枠の取り付け作業に入ります。
起点をどこから取り付けするか?けっこう考えなければなりません。
PA060091.jpg
取り付ける前に上部の角を組み立てておきます

起点を固定したら上下左右を一気に固定します。
PA060094.jpg

真新しい四方の木枠が点いて形は出来上がりましたが元の木枠が無塗装のままのもので経年により乾燥と黒ずみがあったので、新しい木枠がヤケに浮いてしまっています。
そこで新しい木枠を塗装していきます。 ・・・まずは内側から
PA060097.jpg
内側は元の枠材の塗装に色合わせします。

そして外部も・・・
PA060098.jpg

外部は無塗装だった元の木枠と合うように薄い色のウレタン塗料で仕上げます。
これによって雨に対しても耐久性が高くなります。

ようやく完成!
PA060099.jpg

塗りたての時は枠が目立ちますが、1年位経つと適度にヤレて自然な風合いになってきます。
PA060100.jpg

それでも外部に化粧枠を四方にまわしたことで飛び出したアルミ枠は言われなければ解からない程、違和感無く納まりました。

当初は敷地の外からは人目に触れない場所なのでローコスト工法を提案したつもりでしたが、終わってみれば枠の造り込みや塗装など、当初の予定外の工程も取り入れて手間をかけた工事をさせていただきました。
それというのもis・Livingを信頼頂き、完成を楽しみにしていただいたお客様の気持が伝わったからに他なりません。
完成の状態をイメージすることは我々プロは当然のことと思っていますが、一般のお客様には大まかなものは想像できても細かいディテールをイメージすることは困難だと思います。
従ってあまり事細かにクドイ説明をしても逆に困惑させてしまいますし、逆にあまりにもアバウトな説明でも不安感を抱かせてしまいます。

要は事前のヒヤリングと説明に時間をかけることは、その最中は早く決めたい気持ちがあっても、工事が始まってから安心してお待ちいただく為には決して無駄な時間にはなりません。

目的・用途・ご予算など、色んなことをじっくりお聞きし、それを反映させた提案をさせていくのがis・Living流のリフォームなのです。本工事はもちろん、家屋の外装に関するリフレッシュのこともお気軽にご相談ください。

<お問い合わせは>
is・Living営業企画室
E-メール:sasaki@is-living.info
電話:042-319-6480 FAX:042-319-6481


異業種からの依頼

2010 - 12/02 [Thu] - 00:00

ここ1週間ほど、現場作業が続いた為にブログの更新が滞ってしまいました。

年末にかけて家の中の細々としたリフォーム相談が増えてきております。
特に規模の大きなものよりも内装をメインとした「イージーリフォーム」を検討されているお宅が多いのは、この時期の特長のようです。

さてそんな中、先月、細々としたご依頼の中に当社としてはかなり異例の相談を承りました。
その相談者は私の趣味仲間で日頃より親しくしてもらっている先輩からです。
正式な業種名は存じ上げませんが、ロケ地のコーディネーターを業としている人です。

日頃色んな話を聞いているとテレビ・雑誌などあらゆるジャンルでの撮影シーンに合うロケ地を選出するのが主な仕事だそうで、なかなか興味深く、自分の日常的なシチュエーションではなかなか知り得ない楽しそうな世界です。
とはいえ、現実的には大変地道な仕事のようで、撮影する人に合せて色んな要望をかなえなくてはならない根気と情報網と高い信頼が要だということが覗えます。

先輩と私は普段はお互いの仕事については概要は話をしても異業種なので具体的にビジネスをしたことはありませんでした。
ところが今回、相談を受けたのは写真撮影用にガラスのステージを用いたい場合はどうしたらよいか?
ということでした。

???
撮影の為に私が力になれることというと、直接的に思い浮かぶのは背景のセットなどの大工仕事くらいしか思い浮かばなかったのですが、どうやらこの撮影、子供2人のモデルを宙に浮いたように下からのアングルで空をバックに撮影するというコンセプトでした。

その為にガラスのステージを設け、その上に子供が立ってポージングしたところを真下から撮影するというのです。
そこでこのステージ用のガラスをどうやって手配したらよいのだろうか?
というのが相談の内容でした。

一見すると実にシンプルな発想なのでガラス屋さんに必要な面積をそれに見合う強度=厚みをオーダーするだけと思いきや、実はそんなに簡単なことではないのです。

当初希望されたガラスステージの面積は1.5メートル×2メートルくらいのものでした。
用途からして、強化ガラスが必要なのは理解されていました。
そこで困ったのは、そんなガラスをどこにどうやってオーダーすればよいのか?
そして、そんなガラスはどれくらいの厚みが必要なのか?
更にそんなガラスは一体いくらくらいかかるのか?

といったとても素朴でありながら、なかなか解かりそうで解からない質疑です。
現に私がその場で即答できたことはといえば・・・

ガラスを扱う業者なら手配できる。
この場合、強化の「合せガラス」が必要。
既製品・規格品では対応できないので完全にオーダーになる。
かなり高額になる覚悟が要る。


という極当たり前のことしか答えられませんでした。
しかし、手配するかどうかは別として仕事柄、業者の手配は出来るので、とにかく必要な情報だけは調べることにしました。
早速取引しているガラス屋さんに問い合わせてみます。

すると・・・
使用目的を話すなり、
「まず、簡単に考えているみたいだけど、安全上かなり制約があるので奨められない」
「もし作成したとしてもかなり高価になるから金額的に相手が納得できるか?」
ということでした。

やる、やらないは別にして、最初から否定的な事を言われることを嫌う私としては、それでは答えにはなっていません。

「ならばその安全上の制約なり条件を具体的に教えてほしい」
「かなり高額というのは何の基準で行っているのかが抽象的なので具体的に大体いくらくらいか?を教えてほしい」
加えて
「目的に見合うにはどれくらいの厚みが必要なのか具体的なスペックで教えてほしい」
と食い下がります。

その時点で出た回答はというと・・・
「その希望サイズでの作成は無理」
「厚みは20mmは必要」
「金額は大体20~30万円を覚悟して」
 ※搬送費を含む
最後に・・・
「忠告だけど、これは受けない方がいいですよ。ウチでは受けかねます」

もうけっこう! やや気分を慨しました。

いずれにしても特注となると作成はガラスメーカーになるでしょう。
そうであれば、そこへの手配のルートが円滑な業者でないとなかなか上手くいかないようです。

そこで取引のあるサッシ業者に相談してみました。
もちろんこの会社でもガラスを取り扱っています。
同じ質問をすると答えは先のガラス屋さんとあまり変わらない消極的な回答というのが最初の段階です。
しかし、しつこいくらいにあのテこのテの相談をしていくと、この業者さんは全て調べて的確に答えを出してくれました。
同じ「お奨めしない」でもこれなら理由を明確にして伝えることができます。

そして集めた情報を整理すると、以下の条件が必要になります。
ガラス1枚を水平に置いて人が乗れるサイズは1メートル四方以内まで
それを越える場合は途中に桟または支えが必要!

1メートル四方の強化合せガラスの場合必要な厚みは8ミリ×2枚=16ミリ
ステージにする時は四方を枠で支えることが必要
価格は今現在明確にできない ※現段階では20~30万円みてもらうしかない
作成には発注後10日以上必要

なるほど・・・
日頃ビル建築などではカーテンウォールといってガラス張りの外壁のものを見て来ましたが、それは垂直に立てたものでした。 水平面でそこに人が乗るというのはどこかのタワーの展望室の床などにしかないはずです。
そういえばその展望室のガラス床はせいぜい1メートル四方くらいで必ず四方を枠組みしてあります。

とにかくこの時点で解かる範囲を先輩に伝えました。
同時に、実際に使うであろう?数枚のカットの写真撮影の為だけにここまでやるか?ちょっと不安もあったので意思確認もします。
建築の感覚で言えば、そのためにかかる費用・手間があまりにも大きすぎるのです。

しかし、意外とも思えるような先輩の回答は「この際、価格はどうでもいい。要は1メートル四方以上には桟や支えが必要となると撮影に支障をきたすかもしれない」ということでした。

しかし、これだけは無理なものは無理です。
そうそう、よくあるガラスのテーブルなどは1メートル四方以上のサイズがあるではないか?とも思ったのですが、あれは途中どこかしらに支えがあるのでした。 ・・・なるほど

2人は諦めきれず、いっそうのこと、ガラスではなくアクリルで作成したら?
単純にそう思いましたが私の方はそれはガラスよりもはるかにコストと製作日数がかかることはわかっていました。

それでもサッシ業者を通して調べてもらったところ、それ以外の理由にアクリルは水平面に人が乗ったら撓(たわ)んでしまう。
撓まないくらいの厚みだと重量を支えきれないということで断念しました。

これも水族館の水槽などの例を挙げて聞いてみたのですが、回答は「あれは壁=垂直面だからです」との事、水槽内をくぐるトンネルは曲面で水圧を分散しているのでした・・・ 納得

というわけでもしどうしてもこの撮影の為のガラスが必要であれば1メートル四方の範囲で写真を納めるか?それ以上の大きさのガラスは途中桟が入るので撮影後に写真に修正をかけるか?で検討してもらうことにしました。

作成日数から逆算して発注の期限も切らなくてはなりません。
その間にサッシ業者さんがメーカーと直接交渉してくれたお陰で価格は当初の2/3以下まで下がりました。
これはこのサッシ業者さんがメーカーからガラスを引き取ってスタジオまで搬入してくれることで成し得ることなので本当に感謝です。

以上を伝え、結局先輩からは発注のGOサインが出ました。
但し、安全上の条件としてガラスの小口(断面)は触って手を切らないように面を取る加工費を追加させてもらいました。
子供が乗るのであれば必然です。

それにしてもこのガラス、撮影が終わったらもう不要ということで、撮影終了後再び引き取り処分までが必要になります。
建築業の感覚ではすごく勿体無いというか?発注を受けた後でも「本当にいいのだろうか?」と首をかしげてしまいました。

11月の末日、ガラス搬入の日、私は他の工事現場に詰めていたので立ち会えませんがやはり心配ではあります。
強化ガラスというのはその名の通り、面に対しては強いのですが、小口(断面)からの衝撃をピンポイントで加えると一発で割れてしまうので、搬入後のスタジオの人の取り扱いも重々注意が必要です。
業者さん、先輩、両方と何度も連絡をとりながら無事搬入までを確認しました。

そして本日、撮影無事完了の一報をもらってホッとしました。

今回は知人からの相談~依頼であること、私は手配までで実際に現場には立ち会っていないということでサッシ業者から出た価格のままで提供させていただきました。
しかし、撮影後の回収~処分費が当初搬入~撮影~撤収を同日で行う見積だったのを別日で回収に行くことになった為、その運搬費分、足が出てしまいました。

それにしても1回の撮影の為にここまでの費用をかけて行うというのはその業界では当たり前のことだそうですが、すごいことだと思いました。
せっかくの高価なガラスでしかも面を取ってあるので撮影後は必要な人が居ればテーブルにでも何でも使ってもらいたいところですが、スタジオ関係者はこんなことには慣れているので誰ひとり要るとは言いません。

なので回収費用で足が出た分、私自身が引き取りに行こうか?
と、セコイことも考えたのですが、実際はそうは簡単なことではありません。
皆さん、1メートル四方で16ミリ厚の強化合せガラスって一体何キロくらいの重量があると思いますか?

答えは40㎏以上です。
業者さんはガラス運搬専用の吸盤を使用して2人で運びますが、道具もクルマも無い私がもう一人スタッフを連れて六本木のスタジオまで半日かけて引き取りに出向くコストと手間を考えるととても採算が合いません。

こうしてせっかく作成した立派なガラスステージですが、けっきょく用が済んだら破壊して処分となります。
現場に居合わせていないくせにやけにハラハラ心配したり、使用後のガラスの処分がやたらと勿体無く感じた今回のガラスステージの依頼でしたが、先輩からは天候にも恵まれとても良い撮影が出来たという報告をいただいてホッとしました。
何より終わるまでケガがなかったことが何よりで本当に胸を撫で下ろす思いです。

建築建材を全く別の業界で全く別の用途に用いるというのは自分の業としての感覚では考えられないようなこともあるものだと今回お世話になったサッシ業者さんと共に感心したと同時にいい勉強になりました。
しかし、お互いに一番思ったことは・・・
やはりあのガラス、勿体無い   ということでした。 小心者ですね

今回のことのようにis・Livingでは建築に直接関係ないことでもお手伝いできることがあると思います。
色んな建材と色んな業種に関わっているので、色んな情報を集める事でお役に立てることもあるかもしれません。

リフォーム工事もそうですが、
「誰にどう依頼したらよいかわからない」というお客様の声をよく聞きます。
そんな時、「もしかしたら?」くらいの感覚でどうぞお気軽にお問い合わせください。

<お問い合わせは>

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「あぐらベンチ」の作り方

2011 - 01/17 [Mon] - 00:00

前回の記事で紹介した日曜大工で作った 「あぐらベンチ」

今回はその作業工程をご紹介します。
とはいっても作業工程などというほどオーバーなものではなく、天板と底板の間に仕切板を5個所ビス止めしただけの超シンプルなものなので作り方に関しては詳しい説明など不要かと思いますが、まぁ見てください。

P1000412.jpg
材料は厚さ18mmのパインの集成材。 ホームセンターで既にカットしてあるものです。
※ この材料の厚みがあるほど重厚感が出ますが価格も当然高くなります>

以後、わかりやすいのでサイズは「センチ」で表示します

天板用が長さ182センチ×幅45センチ 
底板用が長さ182センチに対して幅40センチ=天板よりも幅が5センチ少ないものにしました。

更に天板用は片側の縁が予め丸く面取りしてあるものにしました。
※ これはご想像の通り、あぐらをかいた時に膝裏に角が当たらない為です

仕切板は底板と同じ40センチ幅のものをホームセンターで15センチ刻みで10個切ってもらいます。
※ 板の長さが182センチなので15センチ×10個切っても30センチの余りが出ます
但し、切ってもらう際、丸ノコの歯の厚み(約5ミリ)の切り白が出るのでカットの際はその分も計算に入れていきましょう


P1000417.jpg
組み立てる前にまずは材料の表面をサントペーパーで磨き、水性ニスを塗っておきます。
※ 乾燥時間は約30分、材料毎の塗る順番と乾燥時間をよく考えて効率よく作業しましょう!

P1000418.jpg

材料が乾燥したら組み立てに入ります。
仕切板は182センチの天・底板の両端とそこから45㎝間隔に各1個所と中心に1ヶ所=計5か所にビス止めします。

P1000419.jpg
電動工具を使う場合、ビスの位置を決めたら予めキリで穴を空けておくと機械のトルクで板が割れてしまうのを防げ、真っ直ぐにビスが打てます。

本来、仕事としてお客様に納める時は天板から直にビスを打つことはせず、予め接着部分に穴を開けて「ダボ」という木釘を挿して止めるのですが、今回は時間と手間をかけない日曜大工という観点で敢えて目に見える表からビスを打ちました。  
※ ビスを打つ前に接合部分には木工ボンドを塗ることをお忘れなく

そしてその「粗」を隠す手段として「木パテ」を使用します。
P1000421.jpg

木パテはチューブに入った煉り物で、隠したい穴に最初は大目に山盛りにしてからヘラなどで平らに伸ばします。
P1000448.jpg

あまり丁寧に平らにしようとすると穴の凹みが返って見えてしまうので適当に留め、乾燥後にペーパーでキレイに磨きます。

ここまでで約2時間  (塗料の乾燥時間を含む・材料の買出し時間は含まず)
木パテを十分に乾燥させるため、この日の作業はここまでにしておきます。

翌日、午前9:30
木パテの乾燥を確認して表面にペーパーをかけます。(手作業)
P1000449.jpg
これでほとんどビスの痕がわからなくなり、表面も平らになります。

更に目の細かいペーパーで表面全体を磨きます。(電動サンダー使用)
P1000450.jpg

磨いた粉じんをキレイに掃除してから再度、水性ニスを塗り、1時間以上乾燥させてから仕上げにもう一度、目の細かいペーパーで表面がツルツルになるまで磨いて完成です。
P1000451.jpg

今回はこれを2脚作成しました。
作成にかかった時間は組み立てだけでいうと正味1時間もかかりません。(電動工具使用)
「磨き」はどこまで丁寧にやるか? 工具を持っているか? で大きく差が出ます。
「塗装」も同様、もし、塗る作業を手軽にやるなら「スプレー式」の塗料が便利です。
「乾燥」は気候条件など、環境によって差がありますが、なるべく時間をかけた方が良いです。

材料に選んだパインの集成材は狂いが無く、加工しやすいので家具造作にはとても適しています。
今回選んだ18ミリという厚さは決してベストな選択ではなく、20ミリ~25ミリ~30ミリといった厚みのある材料であればより質感の高い物が出来ます。
但し、当然材料費はそれに比例して高くつきます。 (18ミリを選んだのはその妥協点)

今回の私の場合は工具と雑材(接着剤やビス、木パテなど)を予め持っているからですが、ベンチ2脚分にかかった材料費は木材と塗料で¥18,000-くらい でした。

実際には長さ182センチのベンチというのは部屋に置くにはけっこうなスペースをとられます。
あくまでも目処ですが、6畳くらいの部屋なら90センチ・8畳くらいで120~140センチ位のサイズが適当かもしれません。
当然サイズダウンすれば材料費も下がります。

今回、こんな単純な日曜大工の記事を紹介した理由は、このベンチを作りましょう!という意味は二の次で、

そういえば日曜大工ってずいぶんご無沙汰していたな?
とか、
難しく考えなくてもこんなものなら簡単にできそうかな?

みたいな感じで少しだけ興味をもったり思い出したりしてもらえたらと思って書いてみました。
DIYはちょっとかじってみるとけっこう楽しいですよ!

さて、天板面積が長さ182センチ×幅45センチ高さ約19センチのベンチを2脚作り、来客前に間に合いました。
しかし、部屋に置くベンチに長さ182センチは正直言って大きい・・・
それも2脚! 一度の来客だけの為に普通はそこまではやらないでしょう!

実はこのベンチ、どうせつくるなら多目的に使えるものにしようと思って瞬時にアイデアが思い浮かんだ結果のサイズなのです。
でも今回の記事では完成品がどんな感じかもよくわからないでしょう?

P1000620.jpg
それも含めて、次回はどうやって使っているか?
実際の写真(上の写真参考)で紹介したいと思います。

効果が活きるLED照明

2011 - 01/24 [Mon] - 00:00

先回、is・Livingが管理させていただいているマンションについて記事にしてご紹介しました。

そこではオーナー様の事に触れ、毎月コミニュケーションをとりながら建物の状態を把握していただいている事と並行して建物を良い状態で維持する為とか、良い環境をつくる為に事前に色んな提案をして、積極的にご理解とご協力をいただいていると書きました。

事業用建物(賃貸住宅・テナントビルなど)の建築計画(事業計画)をする際、大家さんの立場になって事業収支(建物の建築費+維持費に対して家賃収入の差益)を高い数字で企画したいのは当然です。
簡単に説明すると単純な理想だけでいえば

①建築費をなるべく低くして賃料設定は高く
②建物を設計する時は賃料を稼げる面積をなるべく多く


が理想的ですが、実際はそれほど簡単なことではありません。
建物の立地条件・それに見合う市場(入居者のニーズ)などを綿密に調査して企画しないと建てたはいいが、部屋が埋まらないなんてことになりかねません。
また、建物を建築する際、その土地の地盤によっては基礎の下に杭が必要だったりするとその分の建築費がかかるわけですが、そういった目に見えない部分のコストは意外と馬鹿にできません。
建築費というものは単純に「坪単価」だけで目処に計画を立ててしまうと当初の見積と実際に工事する段での金額に大きな差があったり、仕様コストを下げ過ぎた為に入居者のニーズに受け入れられなかったりしてしまうと事業計画そのものが机上の空論になってしまいます。

そんなことを少し意識していただきながら今回はこのマンションの共用部の照明をLED照明に交換した工事を紹介したいと思います。

マンションの場合、前記の 「建物を設計する時は賃料を稼げる面積を多く」 という考え方について言えば、稼げる面積とは家賃が入る住居部分=専有部分 を示します。
逆に賃料が取れない部分=エントランス・共用階段(エレベーター)・廊下などを共用部分といいます。
理屈から言えば建物の中はエントランス・廊下・階段などを最小限にして出来るだけ住居部分に面積を採りたいところですが、このマンションは建物全体の面積に対して比較的エントランスホールの空間に余裕をもたせています。
P1000711.jpg


エントランスは、住人にとってただの通り道と思うと無駄な面積は必要ないのですが、建物全体の大玄関=顔の部分です。
玄関がキレイでゆとりがあるとそれだけで建物の風格が出て、雰囲気が高まり、住人にとっても外部から観ても高級感のある建物に映ります。
P1000706.jpg


このマンションに入るにはガラスの大扉を開け、住人は暗証番号を入力することでその先の自動扉が開きます。
その先のホールがけっこう広いスペースで床も壁も高級感あるタイル貼りになっていて、郵便ポスト(内側)があります。
更にその先には2階以上の住人が利用するエレベーターホールになっているのですが、日中このポスト前とエレベーターホール前が暗い事がずっと気になっていました。

ホール内、脇にある入居者用の郵便ポストの前は照明はあるものの、タイマー制御されているので昼間、外が明るいうちは半分の照明しか点灯しないようになっています。
こちらは「暗い」と感じるほどではないのですが、照明器具が複数あるのに日中は「虫食い」のように半分消えているので何となく貧相に見えてしまうと感じました。

もちろんタイマー制御している理由は明るい時間帯に無駄な電気を使わない節電の為で、これらは廊下や敷地内の庭園灯なども同様に制御されています。

ポストの前だけを常時点灯させることはタイマーのプログラムを変えることで可能なのですが、これについて私はオーナー様にある相談をしました。

それは・・・
「節電の為のタイマーを常時点灯するのであれば、照明器具自体をLED照明に変更してみては?」
というものでした。

このマンション、単身者向け50世帯という規模ですが、昼の時間帯は正直言ってそれほどエントランスを人が通る頻度は高くありません。
まして「暗い」とまでは感じないので、あまり無理にお願いするものでもありません。
しかし、これとは別に今、市場性が高まっているLED照明というものを試みて実際の節電効果がどれくらいなものかを実験してみたかったのです。
その費用対効果が高いのであれば将来に向けて廊下の照明などもLEDにする価値を見いだせるかもしれません。

私はそれらを本音でオーナー様に相談してみました。
もちろん無理に勧めることではないという前提ですが、オーナー様自身もLEDの効果に興味を持ってくださいました。

そしてもう一か所の1階エレベーターホール前ですが、こちらは照明が点灯する夜間よりも日中が明らかに暗いことは私が説明するまでもなく、オ-ナー様自身が感じていられました。

とうわけで昨年の8月にLED照明の交換工事を実施させていただきました。

工事個所は

 ①エントランスホールのポスト前のダウンライトをLED器具に交換
 ②エレベータホール前にLED照明器具を新規取り付け
そして実験的に廊下や庭園灯などの電球をいわゆるELD電球に交換することを併せて試みることを検討しました。

まずはポスト前のダウンライト
P7200042.jpg
元々のダウンライトは蛍光管タイプ(20W)の電球でしたが白熱球でいうと100W相当の明るさのものです。
これと同じ照度のLED器具はこんな形をしています。
P7200046.jpg
実は白熱球でいう60W相当までの明るさであればLED器具もそれほど割高ではないのですが、それ以上のスペックだと極端に価格が高くなってしまいます。
今回のこの器具も3万円以上しました。
消費電力は蛍光管タイプの約半分というスペックです。
交換工事自体は簡単ですが、タイマーとの関係を断つ為に配線を一部変える必要があります。
P7200043.jpg

結果はこんな感じ、やはりこの場所はいつでもちゃんと明かりがついていた方が高級感があります。
明るさはさすがに十分で常時2か所の照明がポスト前を照らしますが2台のライトの消費電力は併せて20W少々といったところです。
P1000712.jpg


続いてエレベーターホール
ここは前後の場所が明るいのに比べ、壁に塞がれて自然光が直接当たらないので見るからに暗く感じます。
P1000719.jpg
夜間はタイマー作動によって照明が点灯するので昼よりもむしろ明るいのですが、この照明が非常灯を兼ねた特殊なものなので、この器具はいじらず、新たに常時点灯用のLED照明を追加で取り付けました

但し、こちらの器具は白熱球でいう60W相当のものでも充分と判断したので小型のシーリングタイプの器具を選択しました。
P1000716.jpg
この器具だとポスト前に用いたダウンライトの半額くらいですが、明かる過ぎず、暗過ぎず、日中は自然な明るさで異和感もありません
P1000720.jpg


あとは共用廊下の照明の電球交換実験です
こちらは器具の交換は考えず、電球交換のみです
とはいえ、一度に全ての電球を変えるとなると70個所近くもあります。
値がこなれてきたとはいえ、蛍光管タイプの電球に比べるとLED電球はまだまだ高いので、球切れを起こしたところから随時LEDに交換しようということでさっそく一か所試みました。

P8310118.jpg
これが照明器具・・・ カバーを外すと・・・・

P8310119.jpg
こんな蛍光管ですが、このタイプの電球は現在はあまり販売されていないし、けっこう価格も高いのです。

ここにLED電球をつけてみました
P8240047.jpg

ところがカバーを付けたら問題発生です・・・
LED電球の特色で、形状は電球と同じでも先の半分しか光りません。

P8240045.jpg
なのでカバーを付けると何か変です

そこで元の蛍光管タイプの電球に・・・但し、明るくて価格も安いスパイラル(渦巻き)形状のものにしました。
P8240048.jpg

で、カバーを付けてみると・・・
P8240046.jpg
今度は大丈夫でしたね (あたりまえか)

たかが電球と言えばそれまでですが、用途によって色んな使い分けは必要です。
ちなみにこの廊下の元の蛍光管の消費電力は13W
これに準じたLEDは半分近い7.5Wです。
70個全てを交換すれば電球代も電気代も馬鹿になりません
しかし、LED電球では光の性質がこの器具(横向きに電球を付けるタイプ)にはそぐわなかったのでここは諦めました。

しかし、このLED電球は屋外の庭園灯には向いていました。
P1000722.jpg

庭園灯は四季を通して一年中外で毎晩点灯するのですからけっこう過酷な設置環境を強いられます
元の蛍光管タイプの切れた電球も根元が腐って電極が白くなっていました。
P1000723.jpg

さっそくLED電球に交換します。
P1000724.jpg

点灯は問題なし、カバーを付けると・・・
P1000725.jpg

これなら大丈夫ですね!
あとは四季の気候の変化に対して耐久力がどれくらいのものかを試すことになります。

この電球交換の実施は猛暑が続いた昨年8月
現在、真冬の寒さの中、問題無く点灯しているのでLED電球の耐久性はありそうです
従って今後、庭園灯の球切れに関しては随時LEDに交換していくことになりそうです。

こうしてこのマンションはオーナー様のご協力によって実験的にLED照明を試みることができました。
共用部分は規模が大きいほど電気代の支出が馬鹿になりません
器具を交換となると器具本体と交換工事の費用はどうしてもかかりますが、同じ明るさで比較した場合、LEDは白熱球の約1/9 蛍光管の約1/2 の消費電力な上、更に耐久性も高いので交換サイクルも長いです
電気代で器具+工事代をいつになったら元がとれるかの計算がポイントになりますが、球切れ交換の手間や毎月の電気代を早いうちから効果を得るという意味で交換の価値は十分にあると私は思いました。

しかし、これは交換した後で解かることも多い結果です。
全てはオーナー様の寛大なご理解とご協力によって得られたことに他なりません。

尚、一般家庭におけるLED電球の交換に関しては過去に記事にしたことがあるので気になる方は コチラ を是非読み返してみてください。 

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アイエス・リビング株式会社

Author:アイエス・リビング株式会社
発信:is・Living営業企画室
東京都多摩市落合1-5-1-701

is・Livingは多摩ニュータウンを中心に住宅のリフォームのプランニング~施工を承ります。
一戸建からマンションまで、内装・外装・設備・外構など住宅に関する一式をお客様のご要望をよく伺ってご予算に合わせた計画を提案することを得意としております。

is・Livingの全ての仕事は
「暮らし」がキーワード!
当ブログではリフォーム工事に関することだけではなく、暮らしに役立つ情報の広場として継続的にご愛読いただければ幸いです。

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